人生は失いつづける
健康を失い、身体の機能を失い、望みを失う
自身に限ったことではない。親しい人の命、大切な人の健康や身体、次から次へと失われてい
く。
この事実にどう向き合おうか
この先、生きる道には、たくさんの悲しみがあるのだろう。失うことによる悲しみが。
多くの悲しみが待ち構えていることを予感させられる。
失った瞬間に、忘れていたこの事実を思い出してしまう。
大多数の人は、生まれた瞬間にこの宿命を背負うことになる。
人生にピリオドをうたない限り、失うことは続く。
最後の最後にまで残るのは、ピリオドをうつことを駆使する権利だけ。
「残金=寿命」と本心から考えることができるのなら意外に長生きでるのかもしれない。
しかし、長く生きることが目的ではない。
人生は縮図で十分だ。
延命は悲しみの先送りに過ぎないと考えれば、「自殺しろ」という類の嫌がらせも「楽になれ
」という声に聞こえる。
失う恐怖を終わらせることは悪いことではない。